HOMEDOCTOR’S EYE若手医師が語る洛和会 音羽病院 大野博司 先生

洛和会 音羽病院 大野博司 先生

クローズアップドクター

広がる人の輪〜セミナー開催を通じて〜

大野博司(おおの・ひろし)

【プロフィール】

大野博司(おおの・ひろし)

千葉大学医学部卒業
株式会社 麻生飯塚病院、舞鶴市民病院内科勤務、米国ブリガム・アンド・ウィメンズホスピタル感染症科研修を経て現在、洛和会音羽病院にて勤務。ICU・総合診療科・腎臓内科・感染症科と幅広く学び、往診もこなすという独特な診療スタイルで活躍中。

【広がる人の輪 〜セミナー開催を通じて〜】

セミナーが持つ大きな意味の一つは「共通認識をもつ」ということです。ACLSのセミナーもそうでしたけれども、何においても一人だけ分かっていては成り 立たないのです。やはり、みんなが共通認識をもった上で、知識や技術をもたないとチーム医療も成し遂げられないですよね。そして患者さんに対してもスタン ダードな治療はできないのではないかと思います。ですから、技術面・知識面だけではなくチームワーク作りという点もセミナーを開催することにより学びまし た。
セミナー自体はもともと志が同じメンバーで作られていますが、そこからさらに友人関係や先輩に話すことで広がり始めました。
ただACLS、感染症セミナーも共に既存の何かがあって始まったものではなく、「何かを変えるんだ!」という高尚な気持ちから始まったというわけでもな く、自分自身が興味をもち・必要性を感じたことから動き出したものでした。それがたまたま他の人たちにも「そういうのなかったよね、必要だよね」という共 感を得たのかもしれません。
現在の感染症セミナーについてはインターネット上での公募などからも輪が広がり、今では北海道から沖縄まで100数名の規模でセミナーが開催されるまでになりました。
今回の感染症セミナー(沖縄で開催)で23回目に入り、もはや自分の手を離れてもセミナー自体が動いています。そういう意味では、すごい事だと思います。 (笑)セミナー開催の運営は、組織化されて動いているわけではありません。ですから現状はできる者が携わるかたちで動いています。これを組織化してしまう 方が、ある種、円滑に事が進んで良いのかもしれませんが(特に事務的な部分)、資料作りなどの手作業部分も残していきたい気持ちがあります。

【私にとってセミナーとは・・】

セミナーの事を考えると、学生時代は医療に対する思いが一人歩きしている部分も多かったなあと感じます。
例えば大学病院の救急の先生に協力をお願いしたり、感染症セミナーのときも研修医二年目でしたし・・。(笑)あの時期だから踏み出せたという思いはあります。ある種、現実というよりは「理想」を見ていた頃ですね。
今は現場という「現実」の場で5〜6年が経とうとしています。そうすると慣れもでてきますし、其々の科についても理解をしてきました。特に私の場合、色々な科に関わっているので、マネージメントや治療に関する難しさを年々感じていますね。
その中でセミナーという存在を改めて考えると、セミナーは総論へもどることができる良い機会だと思っています。つまり現実というのは「目の前にいる感染症 の患者さん」であり「心肺蘇生を必要とする患者さん」であり、各論部分なのです。そして医師として取り組めば取り組む程、患者さんと一対一の関係になり、 さらに深い各論部分に関わることが多くなります。ですから年2回、セミナーを通して総論にもどることは普段の仕事の視点から離れるという意味でも良いのか もしれませんね。。

【相互に生かす診療スタイル】

私は現在の病院でICU・総合診療科・腎臓内科・感染症科・往診、そしてトラベルクリニックと色々携わっています。その中で感じることは、在宅だけ切り離 す、トラベルクリニックを切り離すというのではなく、取り組んでいるすべての科や診療が相互に生かされていることです。
例えば往診についてですが、熱ひとつに関しても在宅にするか・病院にきてもらうか・入院なのかという判断は急性期の病院において救急外来などで働き、あら ゆる事を尽くした医療を頭にいれていないと難しいでしょう。何もない聴診器一本と血圧計だけで患者さんをみるのはとても恐いことですし、中には急性期を多 く経験していないと見逃してしまう病気もあると思います。
ですから救急医療をやっていることが往診でも生かされています。
自分の診療スタイルが果たして良いのかどうかは分かりませんし、どこまでいけるか自分でも未知数ではありますが、今までにない内科医の形に興味をもってく れる人たちが増えればいいなあという思いはあります。そして環境や人との出会いが本当に大切であると感じる今日この頃です。
最後にもう少し往診について感じた事をお話すると、往診は患者さんを初めご家族との関係性が密になる状況にあるということです。まずは医師らしくしない と、というより人間として魅力ある人にならなければいけないという思いはありますね。それは経験年数や、今まで生きてきた人間形成なども影響すると思いま す・・・私もまだまだです。(笑)
あとは癌のターミナルですとか、寝たきりになってしまった上に心疾患がある、もしくは通院は困難だから在宅で対応(何種類も病気を抱えているけれどもやむ をえず)という方達に関しては急性期の技術や知識、「ここを見逃すとまずいな」という診療の勘的な能力と家族の中でその人を「診れる」、家族の単位として 「見れる」という2視点が往診をしていて大切だと感じます。

【医療有資格者の皆さんに一言!】

職業として医師を選択した人もいれば、職業というものを超えた「人を助けたい」という思いで選択された人たちもいると思います。私はたまたま後者であっ て、なんとか人に役立てるようなこと・生かせるような仕事・・・それが医師であったということです。ですから初めに医師になろうと思った気持ちを忘れずに 取り組んで、やりたいと思ったことを始める事だと思います。そして目の前にいる患者さんを精一杯みることがいいと思いますね。

追伸〜インタビュー後記〜

京都は暑かった!そして、人として「熱い」大野先生にもお会いしてきました♪独特な診療スタイルで地域医療に貢献している大野先生。地域にとって、より良 い病院であるために日々診療を通じ邁進しているとともに、内科医の新しい形を表現されていらっしゃいます。お忙しいところ、貴重なお話本当にありがとうご ざいました。そして今月、ついに大野先生執筆による「感染症入門レクチャーノーツ」が完成・刊行となりましたことお知らせ致します!!

「感染症入門レクチャーノーツ」
大野博司/著
詳しい内容はこちらから!

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