HOMEDOCTOR’S EYE若手医師が語る聖路加国際病院 小林美和子 先生

聖路加国際病院 小林美和子 先生

クローズアップドクター

きっかけは日米学生会議

小林美和子(こばやし・みわこ)

【プロフィール】

小林美和子(こばやし・みわこ)

2003年筑波大学医学専門学群卒。学生時代に日米学生会議、東アジア医学生
会議、日米保健医療シンポジウムなどの学生会議の実行委員を務め、「世界を舞
台に仕事をしたい」という思いを強める。聖路加国際病院での内科研修を経て、
2006年3月〜5月までチーフレジデント。7月よりアメリカニューヨークのBeth Israel Medical Centerで内科研修を行う予定。

【きっかけは日米学生会議】

国際的な会議に関心をもったそもそものきっかけは、大学2年の夏に参加した日米学生会議でした。日米学生会議は1934年に創設された歴史のある会議で、参加する学生も経済学部、法学部、文学部などさまざまです。
どうしても医学部に入りますと、部活や学校の生活すべてが医療関係者ばかりになりますから、色々な世界に目を向けた方が良いという思いもありました。
そのような思いがもとで医学部2年目の夏に初めて日米学生会議に参加したのですが、やはり大変に刺激的な経験でした。
例えば、経済を勉強されている方は「自分は経済学部の学生で、日本の経済について代弁するんだ」といった具合に自負心を抱いており、自分の意見をしっかりと持っていましたが、一方で日本の医療についてはどうなのか、と聞かれた時に私自身は全然答えられず、悔しいやら恥ずかしいやら。そのような体験を通じ、広い視野も大事だけれども、まずは『自分の専門分野においてプロにならなければいけないんだ!』と思うようになりました。
ですから医学分野ではしっかりと自分の世界を確立したいと思い、医学の会議にも目を向けるようになりましたね。

【そしてアメリカへ・・・】

アメリカで研修を行うきっかけについてですが、そもそもは学生時代にアメリカの医師国家試験が通ればアメリカで研修ができるらしいという話を聞き、漠然とした気持ちやあこがれを抱き、そこから「あれば行けるかもしれないからとりあえず資格だけでも取ろう」という気持ちで試験を受けました(笑)。ですから将来的には日本で働くつもりで、初期研修は日本で取り組みました。その後、働き始めてからも興味だけは持ち続け、アメリカで研修を行った先生の話を聞いたりして情報を集め、自分なりにアメリカの医療における良い面や悪い面も見えてきました。その時、アメリカも決してバラ色ではないと思いましたね。
では、なぜ渡米留学を思い立ったかと申しますと、理由の一つに感染症科への興味です。感染症分野の専門家を目指すとなると、アメリカの方が臨床科としての専門教育、また患者さんの数や症例の種類など勉強する上で有利な部分が多いと考えました。もう一つの理由は、アメリカの感染症科専門医になるにはフェローシップを2〜3年すると試験を受けられる等、明確にステップが組まれており、目標を立てやすいという面があります。最終的には世界を舞台に、と申し上げましたけれども、アメリカは日本と比べて多民族国家ですから、様々な人達を相手に医師として医療に取り組むことも、将来にむけての勉強になると思いました。

【感染症への興味はここから】

臨床現場に出て、多くの患者さんに接するようになり、患者さんとの一対一対応における医療の限界を感じた時期がありました。例えば、入院中どんなにがんばって患者さんの病気を改善させても、退院すると元の生活に戻って元の木阿弥になってしまう。あるいは、同じ年齢の方でも積み重なった生活習慣によって健康度合いにも差があります。日本での高齢化社会到来のことも考えて、より多くの健康な方々を増やすための予防医療、健康教育に力を注いだほうがいいのではないか、という思いから公衆衛生の分野に興味を抱いたこともあります。しかし、現場で患者さんのために一生懸命働いている医師の姿をみて、やはり現場だ!と思い、まずは臨床医としてのプロになりたいという思いを強めました。では、どの分野のプロになるか、ということですが、学生時代、研修医時代を通じて素敵だな、と思える感染症科の先生との出会いもあり、また、『公衆衛生分野への興味』と『世界を舞台に』という漠然とした気持ちの二つを組み合わせられる分野はなんだろうかと・・・どの専門分野に取り組めば一番役に立てるのかと考えましたら感染症に辿りついた訳です。実際、世の中を見渡せば感染症で亡くなる方は圧倒的に多いですしね。ですから感染症の専門家になることによって、自分の思いを実現させ、かつ多くの人の健康に貢献できる確率が高いのではないかと思いました。

【皆さんへ一言!】

自戒も込めてですが、特に若い研修医の皆さんには大きな志をもって医療に取り組んで欲しいと思います。昨今いろいろ言われていますが、それでも医療職というのは非常にやりがいのある仕事だと思います。そのことにいい意味でのプライドをもってほしいと思います。毎日の仕事に忙殺されると月日はあっという間に過ぎてしまいますが、そんな中でも日常から一歩離れて将来どうありたいかを考える時間を持って頂きたいと思います。

追伸〜インタビュー後記〜

小林先生には大変貴重なお話を頂きまして、この場を借りて感謝申し上げます。国内外の会議への参加を通じて、感じた問題点や自己追求される姿勢に社員一同大変勉強させて頂きました。そして「世界を舞台に」という高いモチベーションとチャレンジ精神をお持ちの小林先生のご活躍を今後も見守っていきたいと思っております。

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